電子カルテは、導入してはじめてもっとこうだったらよかったという要望がでてくることは珍しくありません。クリニック向け電子カルテ特集第4弾では、開業医500人へのアンケート結果から、導入後に感じた不満点と、事前の確認ポイント、それぞれの項目で満足度が高かった電子カルテをご紹介します。電子カルテ選びのご参考になさってください。
電子カルテを導入済みの開業医500人に導入後の不満を複数回答で伺ったところ、最も多かった回答は「ランニングコストが高い」(27.0%)で、実に3人に1人の先生が不満を感じていました。次いで、サポートが悪いという声が集まりました。各項目の注意点と、満足度が高かった電子カルテご紹介します。
電子カルテの費用は導入時に支払う初期費用(イニシャルコスト)と運用費用(ランニングコスト)に分けられます。初期費用はまとまった金額のため目が奪われがちですが、長期にわたって使用することを考えると、ランニングコストも重視すべきです。ランニングコストは月額の固定費のほか、メンテナンス・サポート費用、バージョンアップ費用、周辺機器購入費用、プリント費用などがあります。どのようなケースで費用が発生するのかを事前に取り扱い企業に確認するべきでしょう
コストパフォーマンスの満足度が高かった電子カルテ上位3機種
ここ数年、電子カルテ導入の決め手は「サポート体制」が不動の1位となっておりますが、いざ導入してみると対応が悪いという不満は少なからずあるようです。中にはサポートセンターに丸投げされ、対応が遅かったという先生のコメントもありました。対応策としては、メーカーに導入後のサポートやメンテナンス体制について漏れが無いように確認し、何かあった時に必ず連絡がつく窓口を決めておくべきでしょう。また同じ機種やメーカーの対応が実際どうだったか、お知り合いの先生に確認しておくという方法が有効といえそうです。
診察中にシステム上のトラブルが起これば、最悪診察を中断しなければならない場合もあります。一方で、電子カルテをはじめとしたシステムで全く不具合が無いということはありません。何かしらのエラーは起こり得るものだと考えておく必要があります。対処法としては、メーカーの担当者にどのようなエラーや不具合が多いか、その際はどのように対応したら良いかを確認し、何かあっても素早くリカバリーできる体制を事前に構築することが有効です。またこれをスタッフにも共有しておく必要があるでしょう。
サポート体制の満足度が高かった電子カルテ上位3機種
操作性が悪い、なかなか使いこなせないという不満は、導入前のイメージと実際に使い始めてからのギャップが主な要因です。デモを受ける際は企業の担当者による一般的な機能の説明を受けるだけではなく、患者さんが診察に来たことを想定し、先生ご自身で実際に診断や投薬までの流れを操作してみて使いやすいかどうかを良く検討するとよいでしょう。その際ストレスを感じる点があれば、メーカーにカスタマイズを依頼するという選択肢もあります。
カスタマイズ性が低く、電子カルテが先生の診療スタイルに合っていないと、患者さん1人1人にかかる診察時間が長くなり、効率が悪くなりがちです。また、患者さんを待たせてしまい、不満にも繋がります。これを解決するためには、事前に徹底的にデモを行うべきでしょう。デモを重ねていくうちに、どこをカスタマイズしたいのかが見えてくるはずです。ただ、中にはカスタマイズ性が高すぎて、設定する項目が多すぎるという先生のコメントもありました。こちらもメーカー担当者同席のもとデモを重ねることで解消できるといえそうです。
使いやすさ、カスタマイズの満足度が高かった電子カルテ上位3機種
今回は、電子カルテ導入後の不満点と事前確認ポイント、それぞれ項目の導入後満足度が高い電子カルテをご紹介しました。m3.com開業・経営では10社以上の電子カルテをご紹介可能です。どの電子カルテが自分に合っている分からない、各社の電子カルテの違いを知りたいといった先生は、m3.com開業・経営コーディネーターにお気軽にご相談ください。
【アンケート概要】 |
対象 : |
m3.com 医師会員で、2013年以降に電子カルテを購入された開業医 |
調査方法 : |
m3.com 医師会員向けインターネット・アンケート |
調査期間 : |
2016年12月 |
サンプル数 : |
500件 |