2011/12/16 2012年 電子カルテ購入の決め手&決め手別ランキング
第1回「シェア&満足度」において、ますます選択肢が広がっていく電子カルテ事情についてご覧いただきました。では実際、導入する際‘決め手’となるポイントは何なのか――
第2回は、昨年度大変好評だった「購入の決め手ランキング」をお届けいたします。
2012年度ランキング |
2011年度 |
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1位 | 知人のすすめ | 4位 | ↑ |
2位 | サポート体制 | 2位 | → |
3位 | 価格が安い | 1位 | ↓ |
4位 | 導入実績 | 6位 | ↑ |
5位 | カスタマイズ性 | 3位 | ↓
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6位 | デザイン | 7位 | ↑ |
7位 | 他システム連携 | 5位 | ↑ |
8位 | 入力時間 | 8位 | ↓ |
その他 |
購入の決め手については トップが入れ替わりました。昨年度の「価格(安い)」に替わり 1位に輝いたのはなんと「知人のすすめ」。また、大きく順位を上げた項目として「導入実績」などがあげられ、昨年度と同位の「サポート体制」も含めると、製品そのものの機能や性質よりも、導入後の運用状況に焦点が移りつつあることがわかります。
メーカー各社の特長やその操作性も多様化しつつある電子カルテですが、市場に出回る数多くの情報に惑わされないためにも、とにかく使ってみてどうなのか。 医療関係者や信頼できる知人に聞いてみることが一番の近道だと考えている医師が多いようです。
また今後の対策として、普段からそういった意見交換を気軽にできる環境をつくっておくことも、欠かせぬ条件となってくるのかもしれません。
では次に、それぞれ‘決め手’の上位にランクインしたメーカーを、具体的に見ていきましょう。
AI・CLINIC |
SJI (WINE STYLE) |
メディカルアイ (医歩ippo) |
島津メディカルシステムズ (SimCLINIC T3) |
日立メディコ (Open-Karte) |
展開が早い(すぐにページが切り替わり待たされない)(SJI・40代・小児内科) |
知人の強いすすめ (島津メディカルシステムズ・90代・一般外科) |
ユニコン (ユニカルテ) |
三菱化学メディエンス (m-KARTE) |
システムロード (RACCO電子カルテ) |
日立メディコ (Open-Karte) |
三洋電機 (Medicom-HR II) |
すぐに対応 (ユニコン ・70代・一般内科) |
担当者が感じのよい方で、なんでも相談しやすい感じでした。(システムロード・40代・一般内科) |
近くに人がいて、故障時の対応が早い (三洋電機・40代・耳鼻咽喉科) |
油井コンサルティング (ドクターソフト) |
ライフサイエンス コンピューティング (OpenDolphinPro) |
メディカルアイ (医歩ippo) |
ヤマダ電機 (Dr.Pen Lite) |
ダイナミクス (Dynamics) |
料金的にも安く、非常に好印象だった。 (ライフサイエンス コンピューティング゙・50代・形成外科) |
コストパフォーマンスの高さ、カスタマイズの柔軟さ(ダイナミクス・40代・消化器内科) |
安価である程度自分でセッティングできる点 (ダイナミクス・50代・循環器科) |
システムロード (RACCO電子カルテ) |
富士通 (HOPE/EGMAIN-RX) |
プロ・フィールド (ACUSIS) |
ビー・エム・エル (Medical Station) (QUALIS) |
島津メディカルシステムズ (SimCLINIC T3) |
病院時代にすでに電子カルテを導入しており、同じ機種にした。したがって、使い慣れていたので、他種より慣れが早かった (富士通 ・50代・一般内科) |
BMLとの連携しやすく、同じ法人の診療所でも使用していて使い勝手がわかっている。 (BML・50代・一般内科) |
このようにメーカー別にランキングしてみると、決め手によって選ばれるメーカーも様々であることがわかります。この結果から、医師自身も日ごろから、各社の電子カルテについて吟味・研究している様子などがうかがえます。
東日本大震災を契機とした医療ITシステムの見直しや、急激に加速する医療クラウド市場など――
今後ますますその役割が重要視される電子カルテ。
まずは導入への第一歩として、自身の診療スタイルや経営方針を明確に、しっかりと整理しておく必要がありそうです。
【アンケート概要】 | |
対象 : | m3.com医師会員 開業医 |
調査方法 : | m3.com医師会員向けインターネット・アンケート |
調査期間 : | 2011年10月23日~26日 サンプル数 : 500件 |
<次回予告>
電子カルテ導入に際し、避けては通れぬその‘決め手’、いかがでしたか。決め手によって選ばれるメーカーもずいぶん異なる、ということがわかりました。
次回は、各社の電子カルテの特長がわかるように、m3.com開業・経営掲載中の電子カルテ「製品評価チャート一覧」をお届けいたします。2012年は、1月6日(金)に掲載開始です、どうぞお楽しみに。