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2011/03/10   賃金支払いの原則と留意点

賃金支払いの原則と留意点◆Vol.8

トラブルになりやすい事項、正しい法的知識で対処を


2011年2月17日 菅原 由紀(川口社労士法人・社会保険労務士)


ポイント

 賃金とは、いわゆる賃金、給料はもちろん、各種手当、賞与など、名称のいかんを問わず、労働契約中に労働の対償として、使用者が労働者に支払うすべてのものを言います。

 賃金は、労働時間とともに、最も重要な労働条件の一つです。そしてまた、賃金をめぐる問題はトラブルになりやすい事項ですので、法律的に正しい知識を持って対処することが必要です。

賃金支払いの5原則

 労働基準法では、賃金の支払いが確実に行われるように、5つの原則を定めています(労基法第24条)。

 【賃金支払いの5原則】

賞与・退職金

 賞与や退職金は、法律上、その支払は強制されていませんので、必ず支給しなければならないものではありません。ただし、就業規則や労働契約書などで、あらかじめその支給が使用者の義務とされているものについては、賃金に該当すると言えます。

最低賃金

 最低賃金については、最低賃金法に定めるところによるものとされ、労使間でこれを下回る賃金を定めることはできません。最低賃金には、各都道府県に一つずつ定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。

 現在、医療機関で遵守しなければならないのは、「地域別最低賃金」です。「地域別最低賃金」は都道府県を単位に47件の最低賃金が定めらており、おおむね毎年10月頃に最低賃金額が改定されますので、毎年変更額について確認することが必要です。「地域別最低賃金」は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託職員など雇用形態に関係なく適用されます。

 各都道府県の地域別最低賃金額は、以下URLをご覧ください。

 http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm

平均賃金

 平均賃金とは、労働基準法などで定められている手当や補償、減給制裁の制限額を算定するときなどの基準となる金額のことです。平均賃金は、職員の生活を保障するためのものですから、通常の生活賃金をありのままに算定することを基本とし、原則として事由の発生した日以前3カ月間に、その職員に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額です(労基法第12条)。

 

【平均賃金の計算が必要な場合】
1. 職員を解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当
-平均賃金の30日分以上(労基法第20条)
2. 使用者の都合により休業させる場合に支払う休業手当
-1日につき平均賃金の6割以上(労基法第26条)
3. 年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金(労基法第39条)
4. 職員が業務上負傷し、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償等
(労基法第76条から83条、労災保険法)
5. 減給制裁の制限額
  -1回の額は平均賃金の半額まで、何回も制裁する際は支払賃金総額の1割まで(労基法第91条)

休業手当

 休業手当とは、使用者の責に帰すべき事由によって職員が働くことができなくなった場合、使用者が職員に対して支払う手当のことで、この休業期間中、平均賃金の60%以上の金額を支払わなければなりません(労基法第26条)。

 「使用者の責に帰すべき事由」とは、事業場の設備の欠陥などの経営上の理由、使用者の故意・過失による場合などです。ただし、天災地変などの不可抗力によるものは含みません。この「休業」には、事業の全部または一部休業の場合以外に、特定の職員に対して、その意思に反して働かせない場合も含まれます。

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