2015年11月、第20回医療経済実態調査報告が発表されました。消費税の増税、診療報酬改定の影響が反映されていますので、開業をご検討の先生のおかれましては、ご自身の診療科の平均的な収益の参考になさってはいかがでしょうか?
「医療経済実態調査」は、“中央社会保険医療協議会が診療報酬改定の基礎資料とするため、2 年ごとに実施しているもの”(日本医師会HPより抜粋)です。厚生労働省 保険局 医療課より発表される報告では、病院から一般診療所、歯科診療所、保険薬局の収益(医業収益、介護収益)と費用(医業・介護費用)、損益差額が分かります。第20回の調査施設数は、病院1,365施設、診療所1,637でした。
ただ、この調査では患者数が明らかになっておりませんので、1人あたりの平均診療単価は算出できません。また、診療科によって調査施設数のばらつきがあるほか、診療科によっては医業収益以外の収益(自由診療)も考慮する必要があります。あくまでも、今回の医療経済実態調査をベースとした科目ごとの収入の参考値としてお考えください。
個人経営の医院の医業収益をみると、前年比で上がった科目は、外科、整形外科、小児科、精神科、産婦人科、眼科、その他の診療科でした。伸び率トップは産婦人科(前年度比2.7%アップ)の約180万円の収益増加でした。
一方医業収益が下がった科目は、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科でした。最も下がった科目は皮膚科でマイナス1.2%となりました。全体としては、0.1%の伸びでほぼ横ばいという結果になりました。
医療法人の医業収益が前年に比べて上がった科目は、外科、整形外科、精神科、産婦人科、眼科、皮膚科、その他の診療科でした。伸び率トップは産婦人科(前年度比3.1%)で、約500万円の収益が増えていました。
一方で下がった科目は、内科、小児科、耳鼻咽喉科で、最も減ったものは小児科(前年比マイナス3.5%となりました。全体としては個人医院と同様0.0%で横ばいという結果になりました。
今回は最新の医業経済実態調査報告をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?m3.com開業・経営では、税理士法人や公認会計士事務所をご紹介しておりますので、開業や経営に関するお困りごとがございましたら、m3.com開業・経営コーディネーターにご気軽にご相談ください。