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2012/09/13   「在宅医療の質」を上げる方法

在宅医療特集3 第3回「在宅医療の質」を上げる方法

本特集では、現在宅医へのアンケートから、在宅医療の実態をお伝えしてきました。
第 1 回では、在宅医療を始められる際のきっかけや、不安について。第 2 回では在宅医療で実際に困っている課題などを特集してきました。
そして本第 3 回は、在宅医療の質を上げるには「何が必要か」を、アンケート回答より探っていきます。ハードとソフトが限られている在宅医療の質を上げるというテーマに、さまざまな切り口からご回答いただきました。

在宅医が考える、在宅医療の質向上在宅医療の質をあげるためには何が必要でしょうか?在宅医が考える、在宅医療の質向上のために必要な項目

在宅医療の診療の質を上げるためには、「在宅診療向け機器・ツールの充実」という回答が 1 番多い結果となりました。
そして、次に「時間の確保、人員増」、「他関係施設との連携・ネットワーク」という回答が続いています。
ここからは、アンケートでいただいた具体的な声と、ソリューションをご紹介します。

現開業医の具体的な声 1位 在宅診療向け機器・ツールの充実往診で使用できるコンパクトな医療機器など
2位 時間の確保、人員増
  • じっくり診ることができ、専門化して時間をかけること
  • 専任の看護師が確保できれば、定期の診察以外にも具合を見にいくなどしたい
  • 在宅診療専門医療機関の増加
  • スタッフの充実。優秀な看護師、ヘルパーの確保
3位 他施設との連携・ネットワーク
  • 基幹病院での急変時受けいれ
  • 医師間の連携
  • 分担できる医師の確保が必要と思っている
  • チーム医療の向上、多職種の連携
4位 制度の改善・診療報酬UP
  • 十分な時間が取れるぐらいの点数配分
  • 診療報酬の上昇
  • 集団的個別指導に選定しない事
5位 患者・家族への啓蒙
  • 患者、家族の死生観の変化
  • 患者、家族の覚悟
  • 家族の援助
6位 自己研鑽
  • 自分の診断治療能力
  • 医師の資質
  • 在宅医療の研修、病院医療との違いの認識
7位 アウトソーシングサービスの充実
  • 訪問看護サービスの確保
  • 24 時間体制を維持するサービス
  • 遠隔診断補助
8位 その他
  • ケアマネージャーの質の向上
  • スタッフの教育
  • 地域間での顔の見える関係

本特集では、在宅医療を実施されている開業医の先生へのアンケートから、在宅医療の実態をお伝えしてきました。
まだまだハードもソフトも未整備で、課題をもたれている先生が多いというのが実状のようです。

その一方で、他施設との連携や人員増、アウトソーシング、在宅医療用の機器・ツールの利用など、先生自らが効率化を検討されている様子も散見されました。

限られた人員数や医療環境の中で、少しでも診療時間を伸ばし、診療の質を上げていくために、在宅医療向けのサービスや機器が増え、それらを先生が積極的に活用していくことも在宅医療の普及には重要なことのようです。

【アンケート概要】

対象 :

m3.com 会員医師会員で、在宅医療を実施されている開業医

調査方法 :

m3.com 医師会員向けネット・アンケート

調査期間 :

2012 年 8月

サンプル数 :

121 件