2014/08/28 心不全の測定法と判断 肺エコーへの応用
病院内の回診から、救急の現場や災害時、さらには在宅医療まで、エコー診断が可能な場所を大きく広げる可能性を秘めたポケットエコー。
ポケットエコーは患者目線で医師と患者のコミュニケーションを活性化するなど、まさに「聴診器のように使えるエコー」と言えます。
本特集では、実際にポケットエコー Vscanを活用されている泰川先生の事例を第14回日本在宅医学会学術大会のランチョンセミナーのご講演より、お伝えしてまいります。
ポケットサイズの超音波診断装置Vscan を使って、簡単に心不全を診る方法を紹介します。
Vscanはたいへん小型ですが、バッテリーで約1 時間動きます。プローブはセクタ(1.7MB ~3.8MB)で、検出できる受像機の範囲は広いと思います。Vscan を使って診るには、計測モードがほとんどありませんから、Visual EFだけで判断する方法、つまりBモードで診るだけで、およそ何%収縮しているかを判断します。拡張不良も印象だけで拡張不良か不良ではないかを判断できるように目を慣らしていくことです。(図1)
Vscanはたいへん小型ですが、バッテリーで約1 時間動きます。プローブはセクタ(1.7MB ~3.8MB)で、検出できる受像機の範囲は広いVscanを使って肺エコーを行うこともあります。肺はエコーで診ないだろうと思われる方が多いと思いますが、簡単に説明したいと思います。
単純レントゲンでよくあるKerley のA Lines、それからBLines、C Line がありますが、B Line や C Line が心不全あるいは肺浮腫を表します。
実はエコーにも同じようなものがあります。肺エコーで、ALines とB Lines があるので、それを紹介したいと思います。 B Lines は縦の線、A Lines は横の線です。A Line が正常、BLinesが異常で、肺の中に水分量が多いことです。もっと多くなってくると胸水がたまってきます。このような症状では、エコー所見があるということになります。 本当はものすごくたくさんの個所を撮りなさいという文献が多いのですが、とてもできません。心不全でかなり苦しんでいる人相手に時間をかけてエコーをやっている場合ではありません。在宅でも、本当に重症の心不全という場合に対応できるよう、素早く診断していく必要があります。 ですから肺の第2・第3 肋間あたり肺の上下4 カ所を診ていきましょう。ただ当てるだけです。右も左もやります。これでさっきのALines、B Lines を見て判断していく。ここに書いてありますが、感度も特異性も結構高いです。単純レントゲンと比べてもいい結果が出ているようです。 心嚢液や胸水が見えると心不全です。B Lines があって、もしくはなくても胸水があって心嚢液があるというのが心不全の指標の1つになり得ます。
以上のことを踏まえて、心不全の症状を在宅で診断するときに、NT-proBNP と心エコーをどのように使っていくのかを考えてみました。 図2はわれわれがよく行うパターンですが、
①患者さんは、何かしらの心不全の症状があったときに、訪問看護をコール
②看護師が訪問
③診療所に報告
④私もしくはほかのドクターが採血指示を出し、NT-proBNP を持って帰ってきてすぐ測定。あるいは訪問診療そのものをコール。
⑤または、最初から往診に持って行く
⑥その場でNTproBNPを測定
⑦その場で心エコー検査
というのが、われわれのフローチャートです。
図3は心不全を示唆する検査所見をまとめたものです。
Vscan DP(GEヘルスケア・ジャパン)
2010年の発売以来、大好評を頂いているVscanに遂に高周波リニアが加わりました。 |
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1本のプローブの両端に従来の電子セクタと遂に搭載される2in1方式の“DualProbe”を新規開発。 医療機器承認番号:221ABBZX00252000 |
[購入申し込み] は、ご決済を確定するものではございません。別途、GEヘルスケア・ジャパン社とご契約ください。 |
SONIMAGE P3(コニカミノルタ ヘルスケア) いつもポケットに |
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訪問診療など、医療機器の使用が限られた場面で、触診や聴診に加え超音波を用いることで、患者様の病態の把握の手助けとなります。在宅だけではなく、救急、外来、災害、産科など様々な分野で使われております。 医療機器承認番号:225ABBZX00129000 |
LOGIQ e Premium(GEヘルスケア・ジャパン) ”Quality for Access” |
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ボタン付リニアプローブ登場。お手元で深さ変更、ドプラon/off等が操作できます。穿刺時、検診時に”もう一本手があれば、、、”と思っていたのを解決します。 医療機器承認番号:218ABBZX00060000 |
Venue 50(GEヘルスケア・ジャパン) 操作は指1本でパネルに触れるだけ。 |
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Simple, Fast, Preciseな装置ならではの使い方ができます。整形、RAの先生方が、外来で、腱、筋、炎症等をご確認される際に。麻酔ペイン、整形の先生方が安全に穿刺を行いたい場合にエコーガイド下で。また、手術室に1台あることで、循環器、腹部のスキャンも行えます。 医療機器承認番号:221ABBZX00092000 |