2014/04/10 物件・立地の選び方
前回の特集では診療圏調査による地域(開業エリア)について、人気の高いエリアと、穴場の郊外のエリアについて開業後の経営について述べました。今回は、都市部などで開業される先生の多くが選択する物件形態である、「ビルテナント」と近年増えてきている「医療モール」についてご紹介いたします。
以前エムスリーで実施した開業医200名に対するアンケート結果によると、ビルテナントで開業した先生は28%。医療モールは9%となっています。
ビルテナントに開業するメリットとしては、開業までの時間が短い、駅から近い、建物のメンテナンスまで考えなくていい、等が上げられています。
また、医療モールでは、他の診療科との連携ができる、早い段階での集患が可能、などの声が多く聞かれました。
では、ビルテナント・医療モールでの開業においてチェックするポイントはどういったところにあるのでしょうか。コストの面から考えてみたいと思います。
スケルトンと事務所仕様と居抜き物件 | |
テナント工事の際の工事区分 | |
建物の防火対象物用途区分 | |
その他の状況把握 |
物件を借りる際、大きく分けて3つの種類があります。
一般的に、内装費用が低い順番として、居抜き→事務所仕様→スケルトンとなります。
しかし、居抜きや事務所仕様の物件だとしても、既存設備の老朽化や壁の新設や位置変更などにて、設備の利用が出来ないことがあります。
この場合、解体・撤去・処分・交換などの費用が発生し、結果的に高くなってしまう場合がありますので注意が必要です。
テナント工事を行う際に下記の工事区分があることがあります。
テナント負担としては、B工事とC工事となります。
つまり、1つのテナントで2つの工事契約が必要となります。
一般的に、B工事の費用は、相場の工事より高いことが多いです。
そのため、内装費用が高くなりやすいため注意が必要です。
B工事が発生しやすいテナントは、商業施設・駅ビル・大型オフィスビルなどに多いです。
テナント内見する際、ぜひ専門業者に声掛けし同席させ、工事区分がどうなのか、確認していただくと、計画も立てやすくなります。
近年、防災設備基準が高まってきています。
物件を選ぶ際、建物の他のテナント構成も注目した方が良いです。
オフィス系が多いのか?店舗系が多いのか?飲食系が多いのか?住居系が多いのか?
理由として、建物の利用者により、防災設備の設備基準が異なるためです。
オフィスや住居のような、特定者が利用するテナントが多い場合、注意が必要です。
クリニックが入居することにより、不特定多数の方が利用する建物とみなされ、防災設備の設置基準が高くなる場合があります。
しかも、建物全体にまで影響する場合があり、導入コストが非常に高額となる場合があります。
費用負担を誰が行うのか?
他のテナントの業務への影響などもあり、物件契約が出来ないことに繋がる可能性もあります。
防災設備は専門家でないと解らないことが多いため、物件内見の時に同席をお願いすると良いと思います。
その他として、ビルテナントの物件で注意した方が良い点を下記にまとめます。
今回ご紹介したように、ひとくちにテナント工事といっても、様々な要因で内装コストは大きく異なってきます。
建物やテナントの状況、工事条件により、同じ40坪でも、坪単価45万円程度のテナントもあれば、坪単価が60万円を超えるテナントもあります。
また、施工会社を選ぶ際も注意が必要です。
医療施設の経験が乏しい業者の場合、医療用語や医療機器に精通していないことが多く、工事の不備や不足、後から追加が発生し、最終的に工事金額が高くなる、ということが起こるケースが多々あります。
開業時のコストは出来るだけ抑えたいものです。
ビルテナント物件を検討されている先生は、契約をする前に、医療に精通した専門家に物件確認をお願いしてもらうことをお勧めします。
設計の専門家として、患者さんからも、ドクターをはじめとした勤務する方々からも喜ばれる医院建築を設計。 |
日本最大級の開業支援実績! |
|
豊富な実績と経験に基づきドクターのスムーズな開業と事業の継続を目的とし、中立的な視点で最適な決断を支援。 |
開業物件のご相談とご紹介。事業計画の策定・開業資金のご相談等、多角的にサポート。 |
|
豊富な実績と経験に基づきドクターのスムーズな開業と事業の継続を目的とし、中立的な視点で最適な決断を支援。 |
無料開業サポート |
|
「医療モール」に30年前から着目し、数多くの成功事例を挙げる。ドクターにも患者さまにもご満足いただける医療モールをプロデュース。 |
事業会社の経営ノウハウと組織力が活かされている、マツモトキヨシホールディングスの開業支援プログラム。 |
|