2012/05/24 最も気になる、お金の話
これまで2回にわたり、エリアの絞り込みや物件選択の過程を中心にシミュレーションをしてきました。しかし大切なのはもちろん、お金の話。開業物件選びなどのプロセスと平行して、より早い段階から資金についての話も詰めていく必要があります。
そこで最終回は、開業において最も重要な、‘クリニックの事業計画および資金計画’について、どのように話を進めていくのかシミュレーションしていきます。
お金の話は、当然ながら避けて通ることはできません。開業にあたってどれだけの資金が必要なのかは、これから経営者になる医師にとって、最も気になるところでしょう。
面談では当然ながら、早い段階からお金の話を同時進行で進めていきます。たとえばテナントを借りる場合には家賃はもちろん保証金も発生しますし、内装工事費もかかります。医療機器はたとえリースでもそれなりのランニングコストがかかります。こういった必要な資金の大枠を踏まえた上で、次のように話を進めていきます。
まず考えなければならないのは、「予算はいくらか」ではなく、「現金をどれだけ用意できるか」。すなわち、預貯金から出せるお金はいくらあるのか、ということです。
開業にかかる資金の総額から、用意できる現金を引いたものが「借り入れ」です。あくまで現金の額によって、「このぐらいの開業資金で済ませておかないと合わない」といったことが明確になるのです。
ある程度、物件を絞り込めてきた段階から、簡易的な事業計画を考えていきます。診療圏調査によって見込み患者数などが割り出されますので、その数字をもとに、最初は患者数が少ないことなども考慮しながら、先々の事業の見通し、想定される収入などを割り出していきます。
物件が決まったら、いよいよ具体的な事業計画・資金計画を立て、融資を受けるために金融機関との交渉に入ります。融資先についても、メリットとデメリットを踏まえて選択する必要があります。経験のある開業・経営サポート企業担当者であればその辺りも詳しいので、よりよい借入先はどこか相談してみるのもいいでしょう。クリニックの設計についても具体的に詰めていき、設計が完了して全てに合意ができれば、いよいよ契約です。
開業・経営サポート企業担当者と顔を合わせてしっかりとコミュニケーションをとった結果として、その後の展開がどう変わってくるのか、イメージしていただけたでしょうか。下記に、本シリーズの要点をまとめておきます。
自分の開業イメージに、よりマッチした的確な情報が得られると同時に、自らの判断に対する適切なアドバイスを引き出すことができる---これが面談の最大のポイントです。
初めての医院開業は全てが手探り。担当者からの適切な情報提供とアドバイスによって、そのプロセスは格段にスムーズとなり、結果的に「成功する開業」への早道となるのです。
<取材協力>
三井ホーム株式会社
開発企画本部
大坪 浩二 氏
医院開業はある意味で特殊なジャンルであり、ノウハウが求められます。ノウハウがないと、たとえば開業前に役所に申請を出したら建物の基準が合わず申請が下りない、といった事態も起こり得ます。
実績とノウハウがあるか否かでサポートの中身が全く異なりますので、相談する企業の選択はとても重要と言えるでしょう。
医師にとって開業は初めてでも、企業担当者は開業サポートを何度も経験しています。“開業のプロ”によるサポートがあることで何が変わるか。それは、医師自身の開業にかかる“負担”です。プロの手腕を存分に活用することは、自らの負担を減らすと同時に、開業の道のりがスムーズになります。まさに成功への早道と言えるでしょう。
より少ない初期投資の新しい開業形態「開業まるごとクリニック」 ビル内診療所のことなら 「クリニックアイデンティティ」 レンタルクリニック「ドクターズレントハウス」 |