2012/05/11 面談は有力情報を引き出すチャンス
企業との“面談”に焦点をあて、その中身を具体的に紐解きながら、面談の意義と活用のポイントを探っていくこのシリーズ。
第1回では初回面談をシミュレーションし、「直接会って話すこと」がもたらすメリットをお伝えしてきました。
自分自身が抱く開業イメージから、開業エリアを絞りこむことができたら、次の面談は、いよいよ具体的に物件を絞り込んでいく段階です。第2回は、物件選定のプロセスを、シミュレーションしていきます。
面談はよりよい物件に出会うチャンスと捉えることができます。その流れとポイントを整理していきましょう。
希望するエリアの中から、開業イメージに合う物件を担当者が探し出し、ピックアップした情報を提示します。
この時に提示される物件情報は、診療圏調査のデータも一緒に示されるため、その物件のメリット・デメリットも掴むことができます。
診療圏調査によって見込み患者数などのデータは出てくるものの、それはあくまで数字上の話。気になる物件があったら実際にそこへ足を運び、現場を自らの目で確認することがとても重要です。
担当者とスケジュールを合わせて一緒に現場を見に行くことで、たとえば戸建てなら駐車場が何台分確保できるかや、ビルテナントなら、「配管」の問題や「段差がどうしても避けられない」、などの現実的な問題が見えてきます。
気になる物件がなかった場合でも、希望するエリアを担当者とまわることで物件を探し出せる場合があります。
空き地を探して地主と交渉し、建築用地を確保するという方法です。この場合、「この土地なら開業しても良さそうだ」というやり取りがその場でできなければ先に進めないため、必ず医師と担当者が一緒にまわることが必要となります。
物件を絞り込むプロセスを通して開業イメージもより膨らんでいくことでしょう。そこで今度は、より具体的に開業までのタイムスケジュールを詰めていきます。
建物の申請に要する時間を考慮すると、いつまでに建物ができていなければならないか、さらに、それにはいつまでに物件を決めなければならないのか。希望する開業時期から逆算しながら段取りを整理することで「開業までに自分がすべきこと」が明確になります。
<取材協力>
三井ホーム株式会社
開発企画本部
大坪 浩二 氏
担当者と顔を合わせてしっかりとコミュニケーションをとった結果として、その後の展開がどう変わってくるのか、イメージしていただけたでしょうか。
自分の開業イメージに、よりマッチした的確な情報が得られると同時に、自らの判断に対する適切なアドバイスを引き出すことができる---これが面談の最大のポイントです。
初めての医院開業は全てが手探り。担当者からの適切な情報提供とアドバイスによって、そのプロセスは格段にスムーズとなり、結果的に「成功する開業」への早道となるのです。
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次回予告 |
医院開業がいよいよ具体化してきたところで、気になるのはやはりお金のこと。シリーズ最終回は、クリニックの事業計画、資金計画について、どのように話を進めていくのかをシミュレーションしていきます。 |