2011/12/02 2012年 開業医が選ぶ 電子カルテシェア&満足度
PACS連携や画像表示などの機能向上や操作性の改良などにより、その普及が進みつつある電子カルテシステム。医療におけるクラウド市場の拡大や、iPad の活用により更なる利便性に注目が集まっています。果たして、その実態は──
昨年度同様、開業医 500人のアンケート結果をもとにお届けする「クリニック向け電子カルテ特集」。本年度は 4回シリーズでご紹介いたします。
2012年度ランキングTOP10
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2011年度
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1位 | 三洋電機 | 1位 |
→
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2位 | ダイナミクス | 2位 |
→
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3位 | 富士通 | 4位 |
↑
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4位 | ビー・エム・エル | 3位 |
↓
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5位 | 東芝メディカルシステムズ | 8位 |
↑
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6位 | 日立メディカルコンピュータ | 7位 |
↑
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7位 | ラボテック | 6位 |
↓
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8位 | ユヤマ | 5位 |
↓
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9位 | 島津メディカルシステムズ | 11位 |
↑
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10位 | 日立メディコ | 15位 |
↑
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不動の 1位:三洋電機、2位:ダイナミクス は揺るがずとも、3位以降は順位変動が見られました。
シェアを伸ばしてきたのは、3位:富士通、5位:東芝メディカルシステムズ、9位:島津メディカルシステムズ などで、長年独自のノウハウを構築してきた機能や大手ならではのサポート体制などに注目が集まったと考えられます。
また、さまざまな他社システムとの連動が可能な 4位:BML も上位をキープ、6位:日立メディカルコンピュータ も安定したシェアを確立しています。
一方、上記以外にも多くの得票を得た、今注目の電子カルテを下記にピックアップしました。
「My Style My karte」をコンセプトにユーザビリティを追求した医事一体型電子カルテ
電子カルテの使い勝手が当院の診療形態にマッチしており、 メンテナンスを含めたアフターサービスに安心できそうであ り、価格面でもほぼ納得したので導入を決定した。(50代・消化器科)
電子カルテの蓄積されたノウハウと、医療事務システムの豊富な経験を融合
開業医向けの医療業務パッケージソフトのデモを丁寧にし ていただきました。大変わかりやすく、礼儀正しく、好印象で した。(40代・消化器外科)
診療所のニーズから生まれた
レセコン一体型
電子カルテシステム
Medical Station
(メディカルステーション)
日々の診療で得た
意見やノウハウをも とに開発
QUALIS (クオリス)
東芝メディカルシステムズ
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日立メディカルコンピュータ
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ラボテック
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ユヤマ独自のキーパットで圧倒的な操作性の入力インターフェース
初めてでもわかりやすい操作性(キーパッド入力)が優れている、ペン入力も可能な点も使いやすいと感じた。(40 代・整形外科)
カルテ入力、会計機能、レセプト機能、だけでなくDICOM画像ビューアも一体となった統合型
電子カルテのデモをみせていただき、画面構成がたいへんみやすく、使いやすい印象でした。(30代・消化器内科)
購入ランキングでその他項目の中に挙げられた製品も含めると、過去3年間に導入された電子カルテは 40製品超にも及びました。昨年度は約 35製品だったことを考えると、この1年間の電子カルテ普及の様子や、製品自体も徐々に多様化しつつあることがうかがえます。
そこで今度は、購入した電子カルテを使ってみてどのように感じているか─ 実際に購入した医師に採点していただき、結果を『満足度』として調査してみました。
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<集計方法>購入済み医師3名以上の電子カルテにおいて、採点(100点満点)合計の平均点を5段階に置き換え満足度とする。
昨年度同様、システムロードが満足度 1位に輝きました。「価格」や「使い勝手」、「サポート体制」に高評価がついたようです。また、2位のプロ・フィールドは昨年度ランク外からの大躍進。自由診療に特化しているだけあって、購入医師からは「価格」「カスタマイズ性」ほか、項目全般に評価を得る結果となりました。
また、どのメーカーにも、「まだまだ電子カルテは発展途上である」 という意見が多いことは否めないものの、NTTグループのセンターに電子カルテデータをバックアップできる NTT-MEや、Macユーザー必至の SJI など、各社の特色を謳った電子カルテが、その評価を大きく高めたようです。
【アンケート概要】 | |
対象 : | m3.com 医師会員 開業医 |
調査方法 : | m3.com 医師会員向けインターネット・アンケート |
調査期間 : | 2011年10月23日~26日 サンプル数 : 500件 |
<次回予告>
本年度の電子カルテ特集「シェア&満足度」、いかがでしたか。手堅いメーカーの中にも次世代と言われているメーカーが参入しつつあり、移り変わる電子カルテ事情がうかがえる結果となりました。
次回は、2011年12月16日(金)掲載、「購入の決め手&決め手別ランキング」をお届けいたします。既に電子カルテを導入している先生は、何をもって購入へと踏み切るのか──具体的にご紹介していきます。