生涯現役・廃業・継承の比較
“後継者のいらっしゃらない開業医の先生”が、リタイア戦略として考えるべき選択肢は「生涯現役」「廃業」「継承」の3つ。様々な立場やコスト面から、それぞれの選択肢を比較いたしました。
「生涯現役」「廃業」「継承」のメリット・デメリット
医師 | 患者 | 従業員 | ||
---|---|---|---|---|
①生涯現役 | メリット | ・これまで通りの収入を維持することができる | ・かかりつけ医の診療が継続して受けられる | ・雇用が維持される |
デメリット | ・何かあった際には、患者・従業員・家族に迷惑をかけてしまう ・医師としてずっと学び続ける/勤務し続ける必要がある |
|||
②廃業 | メリット | ・経営の重圧から解放される | - | - |
デメリット | ・原状回復費などの費用が掛かる | ・他のクリニックを探す必要がある | ・働けなくなる | |
③医院継承 (第三者継承) |
メリット | ・譲渡したことによる資金を得ることができる ・経営の重圧から解放される ・条件によっては勤務医となることも可能 |
・同じ場所で診療を受けられる | ・雇用が維持される |
デメリット | ・後継者の探索が必要 | - | - |
医師 | 患者 | 従業員 | |
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①生涯現役 | |||
メリット | ・これまで通りの収入を維持することができる | ・かかりつけ医の診療が継続して受けられる | ・雇用が維持される |
デメリット | ・何かあった際には、患者・従業員・家族に迷惑をかけてしまう ・医師としてずっと学び続ける/勤務し続ける必要がある |
医師 | 患者 | 従業員 | |
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②廃業 | |||
メリット | ・経営の重圧から解放される | - | - |
デメリット | ・原状回復費などの費用が掛かる | ・他のクリニックを探す必要がある | ・働けなくなる |
医師 | 患者 | 従業員 | |
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③医院継承(第三者継承 | |||
メリット | ・譲渡したことによる資金を得ることができる ・経営の重圧から解放される ・条件によっては勤務医となることも可能 |
・同じ場所で診療を受けられる | ・雇用が維持される |
デメリット | ・後継者の探索が必要 | - | - |
①生涯現役
1つ目の選択肢は「今と変わらず生涯現役でありつづける」ことです。患者様としてはずっと診てもらっているかかりつけの先生の診療が継続して受けられ、従業員の雇用も維持されます。
但し、医師として学び続ける勤務が必要となってくるので、高齢の場合、果たして体力的に可能かどうかという問題が発生します。
また、高齢になれば不測の事態の確率も年々高まるため周囲へ迷惑をかけるリスクも高まります。
②廃業
2つ目の選択肢は、「廃業する」ことです。この場合、医師は経営から解放されますが患者は新しいクリニックを探す必要が発生し、従業員も働けなくなります。
実は医院を廃業する場合、その手間やコストは想像以上にかかることがあります。各種手続きやカルテ・書類等の処分はもちろんのこと、医療機器や医療産廃物の処分費用、建物の原状復帰、従業員の退職金など、1,000万円程度の費用がかかる可能性があるとお考え下さい。
【閉院に必要な手間とコスト(一例)】
- 建物解体や内装原状復帰(特にレントゲンがある場合、高額の撤去費用が発生!)
- 患者さんに対する他院へ紹介状の発行
- カルテ、レントゲンの破棄または保存
- 従業員に対する退職金の支払い(割増退職金が発生する場合も)
- 解散時と清算配当時の課税 ・・・など
③医院継承(第三者継承)
3つ目の選択肢は「医院を継承する」ことです。この場合でも、「廃業」と同様に医師は経営から解放されます。内装や医療機器、スタッフをそのまま引き継いでいただくので、先に述べた廃業に係るコストがほとんどかからないばかりか、「退職金代わりになるような、まとまった売却益」をほとんどのケースで得ることができます。また、継承の条件次第で、勤務医として働き続けることも可能です。
閉院と継承のコスト比較

さらに、患者様はかかりつけの医院を変える必要はなく、従業員の雇用も維持されます。
ただし、引き継いでもらう後継者が必要であり、「後継者候補を探索する」「後継者候補に引継ぎを行う」といった時間も、考慮に入れて行動しなければなりません。もし可能ならば、ご自身の考える引退時期の2年前には、ご相談いただくのが理想です。