2016/06/09 医院開業の成功は効果的なアピールから
医院開業を成功させるためには、地域の方々へ先生の医院が新たに開業したことを広く伝える必要があります。その際、様々な手法を使うことになりますが、事前の準備には意外と時間がかかるものです。今回は、医院を効果的にアピールするための広告手法についてご紹介いたします。
開業6カ月前は「広告など開業直前でOK」と感じるかもしれませんが、できれば半年、遅くても4ヶ月前には動き出さなければ広告出稿が間に合いません。開業3ヶ月前の医院広告制作開始までには、休診日や診療時間といった医院の詳細を決定する必要があります。
院名を決定するためには、医院戦略を明確にする必要があります。「○○胃腸科クリニック」のように得意科目を前面に出したり、後々の広がりを考えて科目を限定しない名称にしたり、覚えられやすいようなインパクトのある名前にするなど、戦略によって何を選択するかは変わります。
つぎに院名と同様、病院の考え方の象徴であるロゴの作成も大切です。この時期は、建築・内装を最終決定する時期でもあるため、イメージカラーやロゴのデザイン、書体などをみつめていくことは、入り口の看板といった建築・内装はもちろん、案内リーフや診察券など、患者に配布する印刷物にも深く関与します。名刺から看板まで統一されたロゴを使用することで医院イメージを深く印象付けることができます。
先生の医院の開業告知を、どの範囲に、何の媒体を使って告知するかを決定する必要があります。各メディアごとに広告出稿の申し込みから掲載までどのくらいの時間がかかるかを把握し、開業告知の範囲分析・配布地域などを決定してくれる広告代理店あるいはコンサルタントへの相談を検討しましょう。
広告名 | 費用 | メリット | 注意点 |
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駅広告 | 制作料 10万円~ 広告料 3万円~/月(駅により異なる) |
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電柱広告 | 制作料 1万円~ 広告料 1,400円~/月 (地域により異なる) |
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電話帳広告 | 広告料 5万円~ (地域、掲載面、サイズにより異なる) |
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ホームページ (業者に委託する場合) |
10万円~ (ページ数より異なる) |
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SNS | 無料 |
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内覧会は開業直前に、医院を全面的にアピールできる開業イベントです。告知には、おおむね新聞折込チラシを使います。参加者数が少なくても開催の意味がありませんし、多すぎても対応に困りますので、求人広告同様、配布の地域や枚数は専門家に相談しましょう。
内覧会の開催は、オープンの前日あるいは前々日です。医院の集患は口コミの力が大きいため、当日、訪れてきた方の健康相談にのることで先生の人柄をアピールしたり、スタッフが検査の予約を取るといった実際の集患作業、院名の入った記念品を「広告ツール」として配布するなど、医院アピールのために行えることはたくさんあり、地域の方々とのコミュニケーションには絶好の機会です。
また、スタッフにとっては、内覧会の当日はいわば実地研修の場でもあります。見学に来た近所のみなさんが、「また来よう。この先生に、この医院に診てもらおう」と思えるような対応を、先生はもちろんスタッフ全員が身につけなくてはなりません。事前に2週間ほどスタッフ研修を行いましょう。
2007年4月1日施行の改正医療法により、医療機能情報提供の実施を求められるようになるなど、公開できる情報の範囲が拡大しています。厚労省HPで公開されている、「医療広告ガイドライン」を一度ご確認されることをお勧めします。
広告への掲載可能な内容も、「人工透析」、検査に使う機器なども掲載できるようになったりと、大きく広がっています。電柱、駅看板、野立て、バス広告など、さまざまな広告・宣伝方法を用いて何をアピールするのか明確にするために、すべての広告アイテムに関係する標榜科目の決定や診療内容の選定、医院の基礎となる詳細情報を、開業半年前には吟味しておかなくてはならないのです。