2013/05/23 プロに聞く!開業時の情報収集
第 1 回では、アンケート結果をもとに、先輩開業医の 「開業セミナーでの情報収集」 をご紹介しました。
第 2 回は、多くの開業支援をおこなっているプロフェッショナル [株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー 佐久間氏] へのインタビューで、情報収集のポイントや開業にあたり意識・検討すべきことなどをうかがいました。
開業をご検討されているなかで、まだ漠然としたお考えの事項も多いのではないでしょうか?
開業は人生の一大岐路なので、ぜひ下記をご参考に [具体的なイメージ] をご検討されることも大切です。
開業はゴールではなくスタートです
診療所が 10 万件を超え、競合が必ずいるという前提での開業ですから、経営理念を作成し、自院の存在意義を強く意識する必要があります。楽観的な事業計画の場合は、開業=ゴールとなっていないか、十分吟味をすることが大切だと思います。
最小の機材と人員でスタートし、クリニックの成長に合わせて計画的に機器の導入を考えるなど、柔軟な対応も必要ですし、病診連携・診診連携のネットワーク構築をはかるのも大切な準備です。
開業準備そのものではなく、 開業後の準備に多くの時間をさくべき だと考えます。
やはり、そのコンサルタントの実績を見ることです。その中に知人がいれば確認する、知人がいなければ手がけたクリニックの待合室をのぞくだけでも判断の材料になるのではないでしょうか?
また複数のコンサルタントにあい、同じ質問をすることで、考え方の違いや取組方への違いが分かる セカンドオピニオンの実施 も必要です。
開業支援を手がけるコンサルタントは大きく分けると 2 種類あります。
1. フィーが必要なコンサルタント
2. フィーが不要なコンサルタント
一見フィーが不要なコンサルタントはお得なイメージが強いですが、最終的には自社商品・サービスの導入が前提となっているケースが多いです。優劣ではなく、このような事情があることも理解し、先生にあったコンサルタントをお探しください。
セミナーは、3 つの目的を持って参加することをおすすめします。
情報は多いほど選択肢は増えます。また後にさまざまなアドバイスを受けるときの判断の基準にもなります。
講師はもちろん、出展している各企業も数々の開業医を見ている専門家です。よって先生側でも、実際にだれに頼むのかを見極めるまたとない機会です。時間が許す限り多くの専門家の話を聞くことをおすすめします。
個別相談などを利用してセカンドオピニオンを得ることもできます。すでに開業の準備にはいっている場合、方向性が間違っていないのか確認も可能です。
セミナーはぜひ奥さまとご参加してください。業者やコンサルタントとの接点は奥さまになるケースも多いと思います。準備を進めるにあたり、奥さまが感じる印象も大切な情報です。
上記 3 ポイントを効果的におさえるために、また理想の開業とはなにか整理をするうえでも、セミナーの有効活用をおすすめします。
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以前と比較し、開業を取りまく環境は厳しくなっています。したがってよいと思われていることは積極的に取り組むことが必要です。よく見られる問題として、以下のようなものがあります。 ● 物件ありきでの開業 ● 経営理念が自分の言葉で書かれていない (経営理念がない) ● ドクター自身のキャリアや強みが不明確 ● 自己資金が少ない ● 家族 (奥さま) の理解・援助がえられない ● 楽観的な事業計画を鵜呑みにしている ● 事業計画では、患者数を入れかえるなど複数のシミュレーションをしていない ● 院長の生活費が事業計画にはいっていない |
たとえば先日 『経営が厳しい』、と相談をうけた眼科の事業計画は、開業翌日から白内障手術が開始する前提でした。 「開業=スタート」 と認識している経験豊富なコンサルタントであればこのようなことは起こらなかったはずです。
開業セミナーなどを十分利用し、信頼に値するコンサルタントとであってください。
<当日のコンテンツ例>
■ クリニック開業立地選定 そのノウハウと留意点 / 株式会社日本医業総研 植村智之氏
■ 雇用主としてのファーストステップ 労働契約の注意点 / 社会保険労務士法人ユアサイド 中宮伸二郎氏
■ 奥さまの重要な役割 スタッフの能力とやる気を引き出すコミュニケーション術 / 税理士法人アミック 高橋友恵氏
その他にも多彩なコンテンツを準備し、先生のご来場をお待ちしております。