関東・皮膚科継承事例
一緒に働いている医師への譲渡は難しい?
後継者選びの意外な落とし穴

医院譲渡に至った経緯
60代中盤に差し掛かり、一緒に働いている医師にも継承を打診されましたが、良い返事をいただけない様子であったため、弊社に後継者探索を依頼されました。
医院の譲渡情報
エリア | 関東 |
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診療科目 | 皮膚科 |
事業形態 | 医療法人 |
買手情報 | 勤務医 |
特徴 | ・知名度が高く高収益を実現 ・内装美麗で医療機器充実 ・駅近好立地 |
「一緒に働いてから決める」の落とし穴とは?
契約書を締結する前に一緒に働く期間を設けると、後継者候補の働きぶりを見られるというメリットの一方で、後継者候補の方が他の物件で開業を決めてしまうという大きなデメリットがございます。
後継者候補の方の心理としては、開業はしたいが、譲れないと断られてしまったり、他の候補者で決められたりといったリスクを鑑みて、他の案件も検討されることになります。
売主様は、どうしても後継者候補の方の働きぶりを見てから決めたいとの意向で、やっと見つかった後継者候補の方と働くことになりましたが、譲りたいと思ったときには、後継者候補の方が他の案件で進むことを決めてしまっていて、破談となってしまいました。
後継者候補となる医師を雇用することはとても難しい?
後継者候補となり得る医師(副院長等)をまずは雇ってその方に将来的に継承するというのはとても困難です。
前節で記載したデメリットのほかに、雇われ医師として求人情報を見られている方と、独立開業をされたい方とは大きく意向が違うからです。
本件では、既に一緒に働かれている医師に並行して継承を打診していたのですが、雇われ医師から開業医になることで増える人事労務といった経営負担や開業リスクを理由に断られてしまっていました。
収益などを考えて開業医にメリットがあるのは当然ですが、勤務医として働き続けたいという方もかなりの割合でいるということを理解すると良いかもしれません。

円滑な継承を実現するためには?
円滑な継承を実現するには、後継者に求めるポイントに優先順位をつけて、しっかりと契約を結ぶことが重要です。
契約がなければ、いくら信頼関係があろうともお互いがリスクを考慮して、話が進まないということは良くあります。「一緒に働いてたとしてもいくらでも猫を被ることは可能」と割り切って、後継者を決定していくこともとても重要です。
万が一、一緒に働いた人に譲りたいと考えるのであれば10年スパンでの計画と、開業意向と開業スケジュールが合致した後継者を見つけるというかなり困難な壁を乗り越える必要があるかと存じます。
担当したコンサルタントからのメッセージ
これまで診療を続けてきた大切なクリニックをどのような方にお譲りするべきか非常に悩まれることと存じます。
お人柄や経験などしっかりと見極めるため、交渉の進め方などはできるだけ柔軟に対応させていただきたく存じます。
まずは、お気軽にご相談いただき、クリニックに対する想いやお考えをお聞かせいただけますと幸甚です。