熊本県・内科継承事例
継承時「不動産・土地の所有権」で揉めないために大事なこと
医院譲渡に至った経緯
売主の先生が経営する病院は、熊本県の空港から2時間半ほどかかる立地にあり、弊社にご相談いただく前に1年間ほど継承先を探していましたが、候補者が現れずに悩んでいました。
一方買主の先生は、偶然にもその病院がある地域で生まれ育った方で、いずれはその地で開業をしたいと考えていました。弊社の仲介を通じてお互いに運命的な出会いを果たし、トップ面談から基本合意まではスムーズに話が進んでいきましたが……。
医院の譲渡情報
エリア | 熊本県 |
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診療科目 | 内科 |
事業形態 | 個人事業 |
買手情報 | 個人医師 |
特徴 | ・買主側から譲渡価格を下げたいと要望があった ・不動産の評価、契約内容について議論が発生した |
建物と土地の契約内容で両者に亀裂が発生、最終契約直前まで揉めてしまうことに
譲渡する病院は、建物はクリニック法人が所有しており、土地は売主の先生が個人で所有していました。そのため、譲渡後も土地は売らずに賃料を取りたいというのが売主の先生の意向でした。
加えて、売主の先生は病院の他にもグループホームなどの施設も経営しており、同様に建物は法人、土地は個人が所有していました。買主の先生と契約内容をまとめていく際に、その土地内で、どこまで譲渡し、どこは譲渡しないのか、という点で細かい議論が発生してしまい、結果的に最終契約直前まで揉めることになってしまいました。
そこで最終契約直前に弊社で面談の場を設け、買主の先生と売主の先生にお互いに不満に感じている点や要望などを全てお伝えいただくことにしました。

お二人の間で不満に感じている部分の多くは、不動産に関するものでした。お互いに自身に有利な契約内容にしたいと考え、衝突が起きていたのです。また、譲渡予定の土地には、売主の先生の居住地に面した病院の駐車場なども含まれており、お互いに揉めていく中で、生活圏に近い土地は譲りたくない、と新たな要望も出てきたため、さらに問題は複雑化しました。
そこで弊社が間に入り、まずは譲渡価格についてお互いに納得ができる金額を決定することにしました。譲渡金額においては、弊社で事業計画書を作り、今後の収益の見込みについて買主の先生に説明をすることで、売主の先生の希望に近い金額で両者に納得いただくことができました。また、生活圏に面した駐車場に関しては、その後の売主の先生の生活に干渉しないような契約内容にすることで、売主の先生も安心していただけたようでした。
この話し合いにより、不満に思っている部分を改善し、両者納得のいく形で契約書を修正し、締結まで進むことができました。
スムーズな継承のためにも、不動産では臨機応変な対応ができると〇
今回の件にも通じる部分ですが、継承の際に売主の先生側で不動産や土地を売る、もしくは売らないと制限してしまうことで、なかなか買主の先生が現れなかったり、その後の契約内容で揉めてしまったりして継承が長引くというケースがあります。
買主の先生に向けて間口を広げるのであれば、賃貸でも販売でもどちらでも対応ができるようにするなど、柔軟な姿勢で臨む方がいいでしょう。
担当したコンサルタントからのメッセージ
お互いに不満をため込んでいると、つい疑心暗鬼になってしまうものです。なので、お互いに対面でお話ができる機会をもつことも重要です。今回もそういった場所を設けたことで、お互いに気持ちがわかり、譲歩しようという流れが生まれました。もし不満や不安を感じるようなことがあれば、ぜひ面談の場を提案してみましょう。悩んだ際はぜひお気軽に弊社コンサルタントにご相談ください。