埼玉県・皮膚科継承事例
コロナ禍で収益3割減。過去の実績から”医院のポテンシャル”を訴求し継承へ
医院譲渡に至った経緯
売り手の先生は、ご家族の介護に時間を割くために医院継承を決断しました。しかし、首都圏かつ皮膚科ということで、直近3年ほどの売り上げが落ちてしまっていました。また、完全に引退するのではなく、週1〜2日程度での継続勤務を希望していました。
今回の買い手は医療法人で、全国で医療脱毛を30店舗展開しているクリニックです。今後は自由診療だけではなく保険診療にも拡大していきたいということで、保険診療のクリニックを探しているところでした。
医院の譲渡情報
エリア | 埼玉県 |
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診療科目 | 皮膚科 |
事業形態 | 個人事業 |
買手情報 | 法人事業 |
特徴 | ・売主が継続勤務希望 ・コロナ禍により収益減 |
コロナ禍で売り上げ低下……過去の実績からポテンシャルをアピール
皮膚科かつ首都圏だったので、コロナが直撃するマーケットでもありました。ご相談いただいたのは、2022年の年末です。募集を開始したのが翌年の1月。2月にトップ面談が行われました。
弊社にご相談をいただいたのは、2022年の年末です。継承探索当時の収益性は、コロナ禍の影響で落ち込んでしまっており、正直よくはありませんでした。コロナ禍に入る前と比べると、3割ほど落ちてしまっていたのです。なので、当時の収益性を持って他の方にお勧めするのは難しい状況でした。
そこで今回の案件では「元々はどれくらいの収益だったのか」や「どれくらいの数の手術の実績があるのか」など、病院のポテンシャルの部分に注目することにしました。そういったバリューアップに繋がる資料や、美容皮膚科という買い手の医療法人とのシナジーの部分を訴求することで評価に繋がりました。
収益の減少は、今回のような外部的な要因もあれば、内部的な要因(医師の体調不良で診察日を減らしていた、手術をやらなくなってしまった、広告を出さなくなってしまった、など)もあります。内部的な要因の場合は、その後入ってくる後継者の先生が改善できる見込みもあります。現時点で収益が下がっているからといって悲観的になることはありません。

売り手の先生の「継続勤務希望」は継承のメリットになるか?
売り手の先生が継続勤務を希望することが継承探索のメリットになるかデメリットになるかは、買い手の先生の要望などもあるのでケースバイケースです。今回の案件で言うと、買い手の先生は新しいクリニックを展開していく上で、管理医師を立てる必要があったり、シフトを埋める必要があったりしました。加えて、売り手の医療法人には保険診療のノウハウがなく、これから蓄積していきたいというタイミングでした。そういった部分を売り手の先生が担うことができるという点が評価の面でポジティブに作用したのです。
上記以外でも、売り手の先生の継続勤務にはメリットが多いです。例えば、売り手の先生が残った方が既存の患者さんが離れにくいという面があります。売り上げの落ち幅も小さくなりますし、それによって銀行の融資という点でも見え方が一部良くなると考えられるでしょう。また、スタッフさんの管理やクリニックの回し方など経営的な指導も一定見込めます。
一方で、その分の人件費がかかることや、買い手の先生が100%自由に経営できない点などはデメリットとなります。
そういった事情を考えると、継続勤務希望の場合はより多くの先生と面談をして、条件をすり合わせながらよりお互いの要望に合った継承ができるような探索をしていくのが良いでしょう。
担当したコンサルタントからのメッセージ
今回の継承がうまくいった要点として、売り手の先生の優先順位がはっきりしていたことが挙げられます。売り手の先生は「クリニックを早く譲ること」と「ご自身の継続勤務」の2点以外ではそこまで強いこだわりを持っていなかったからこそ、探索を円滑に進めることができました。
また、コロナ禍など不測の事態で収益が下がってしまったとしても、それを理由に継承を諦める必要はありません。今回のようにバリューアップの要素を一緒に考えていくこともできるので、悩んだ際はぜひお気軽に弊社コンサルタントにご相談ください。