Vol.7 譲渡するときに営業権が高く付けられるケースとは!?

売手と買手がお互いを尊重し合うのがベスト

長年、医院譲渡のコンサルタントをしてきて、大変だった事例はありますか？

そうですね。『後継者を3カ月で見つけてほしい』と言われたことがありました。とにかく時間がないので、すべてがバタバタでしたね。

それはなぜ3カ月だったんでしょう？

そのときは病気が見つかって、入院をされることが決まっていたため、後継者探索までの時間が限られていました。いろいろなケースがありますが、通常半年〜1年半ほどかかる医院譲渡を3ヵ月で決めるのは、我々としてもなかなか厳しいものがあります。

逆に医院譲渡がスムーズにいくときはどんな感じですか？

売手、買手の先生方がお互いに尊重しあっているケースですね。交渉事ではあるんですが、長期的に見れば、売手の先生からすると買手の先生は後継者であり、自分のクリニックを引継いでくれるパートナーですよね。また、買手の先生からすると売手の先生は開業医の先輩であり、医師として経営者として学べることがたくさんあります。そういう目線を持つことができると円滑に進みますね

コンサルタントとして満足できる事例はどんなものですか？

あるケースで、営業権の価格を相場の3倍付けることができました。理由としては、人気のエリアに位置していた医院だったので、個人の勤務医だけでなく、資金力が豊富な医療法人も手を挙げてくれたからです。多くの買手候補者を用意することによって、営業権を通常より高く付けられることがあります。

譲渡価格の相場をあげられるというのは、エムスリーだからできることですか？

一概にはいえませんが、エムスリーの値付けは他社よりは高いとは言われます。

資産の部分は基本的には他社と変わらないですよね。

そうです。資産の部分では差が付かないので、営業権をどれだけ付けられるかがすべてです。

よく聞くトラブルは情報漏えい

医院譲渡において、利用者が気をつけた方がいいことはありますか？

他社でよく聞くトラブルは情報漏えいですかね。医院譲渡、M&Aでは『クリニックを閉業もしくは譲渡する』というウワサが先立ってしまいますと、多方面に迷惑がかかります。
まず、患者さんはほかのクリニックに行ってしまいます。従業員は次の就職先を探すでしょう。金融機関は融資の回収を始めるかもしれません。

個人情報保護の基準をクリアした会社を選ぶべきですね。

まさにそうだと思います。エムスリーは後継者候補と秘密保持契約を締結し、情報漏えいのリスクを防いでいます。

後継者のマッチングも難しい部分だと思いますが、いかがですか？

この先生には、こういう後継者が合うだろうというのはもちろんあります。それ以外にも、買手の先生に概要書を見せるだけではなく、『先生であればこの方向性で収益をよりあげられます』といった提案をします。継承後のビジョン、方針などもコンサルティングして、先生の背中を推すことを意識していますね。

「ひとりでも多くの人に自分の担当するクリニックの案件を見てもらいたい」と話す村田さん。そうすることで、売り手、買い手、双方のメリットになります。
エムスリーの継承コンサルタントはトラブルの解決経験も豊富な優秀な人材です。困りごとがあれば、まずはご相談ください。

【プロフィール】

村田 耕平氏　エムスリー株式会社　医院継承チームリーダー

ヘルスケア専門のコンサルティング会社にて、医療機関の運営・再生支援、自治体の医療計画策定支援、事業会社の戦略策定支援等に従事。その後、エムスリー株式会社にて医院の第三者継承支援に携わる。