― 自己紹介をお願いいたします。
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水野先生 グローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝と申します。
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― システムを活用したクリニックを運用された理由は何ですか?
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水野先生 クリニックを開業するときに、Safety、Specialty、Satisfy、Smooth&Smartという4つのコンセプトを掲げました。都心の診療所で忙しい方が多いので、4つ目のコンセプトであるsmooth &Smartを重視し、患者さんの待ち時間や負担を減らす、あとは紙をなくすためにシステムを導入したかったのです。
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― 予約システムはどちらの商品をお使いでしょうか?
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水野先生 メディカルフォレストの診療予約です。
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― 予約システムを検討したきっかけは何ですか?
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水野先生 患者さんが多く来たとき、効率よく管理できるからです。最初は「順番予約」のシステムを導入しました。コロナの影響もあって、「時間帯予約」のシステムに変更しました。
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― 問診システムはどちらの商品をお使いですか?
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水野先生 レイヤード社のSymViewというシステムを使っています。
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― なぜこの商品を選ばれたのですか?
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水野先生 私の専門外来によくあったシステムだからです。渡航外来では、ワクチン接種の患者さんがたくさん来ます。インフルエンザのワクチンも同様ですが、ワクチン接種には署名が必要で、紙に直接書いてもらうと、煩雑になります。これを予約システムに乗せられないかとずっと考えており、いろいろな会社に問い合わせましたが難しく、レイヤード社は、「なんとかします」と開発していただき、やっと実現しました。特に感染症内科は、患者さんにいろんなことを聞かなくてはいけないんですね。その項目を自由にアレンジしながら問診に乗せていただけました。
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― この製品を導入されてからクリニックの運用はどのように変わりましたか?
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水野先生 アンケートでは、患者さんの8割程度が紙の問診よりもウェブによる問診がよいと回答しています。スマートフォンを使って自宅でゆっくりと考えながら問診できるところを評価していただいています。
感染症内科の問診では、海外渡航歴、動物の接触歴、性交渉歴などをきかなければなりません。患者さんにウェブで入力してもらえるとHIVの疑いのある患者さんや、人獣共通感染症など疾患を鑑別するための情報が増えます。性交渉歴や妊娠の可能性など言いにくいことを直接言わなくてもいいので患者さんにもメリットがありますし、診療の役にも立ちます。
また、コロナの疑いの患者さんが突然来ることもありますし、患者さんの情報が事前に全員で共有できるのは役立ちます。発熱の患者さんは、ほかの患者さんと分けなくてはなりませんが、構造上空間的なゾーニングができないクリックも多いと思います。発熱の患者さんとそうでない患者さんが事前にわかれば、時間的なゾーニングをアレンジすることも可能です。
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― SymViewを運用した後も機能改善や提案はありましたか?
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水野先生 頻繁にありますね。例えば、インフルエンザのワクチンシーズンになれば、インフルエンザの問診票がアップされますし、最近ですと新型コロナの発生届に準拠した問診システムができるなど、その都度必要な情報がアップデートされます。ありがたかったのは英語の問診票です。外国人は英語で入力し、こちらには日本語で反映されるので便利です。
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― カルテはどちらの商品をお使いですか?
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水野先生 エムスリーデジカルです。
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― なぜこの商品を選びましたか?
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水野先生 クラウド型であるということで、とにかく場所を取らないことです。
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― この製品を導入したことで良かったことはありますか?
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水野先生 これまで勤務した大学病院や診療所では、院内サーバーを使っていて、自分が出したい薬を入力しても、登録されていないと反映されませんでした。そうすると代用の薬を探さなくてはいけないのがものすごくストレスでした。クラウド型カルテですと、感染症内科で使う薬や、私がよく出す寄生虫やHIVなどの特殊な薬でも、薬の名前を入れるとすぐ出てきます。アプリがアップデートされて新薬もすぐに出るので、今までのストレスが一気になくなりました。そういう意味で、クラウド型しか選択肢がなかったといっても過言ではありません。また、AI搭載で頻用している薬や検査が上から順に表示されます。わたしは、このカルテを使い始めて3年になりますが、自分が良く使う薬は決まってくるので、探さなくても表示されますし、傾向もでてきますので、使えば使うほど自分になじんでくるのがとても魅力的ですね。
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― PACS(検査データ統合参照システム)はどちらの商品をお使いでしょう?
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水野先生 日本光電社のPrimePartnerです。
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― なぜこの製品を選ばれましたか?
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水野先生 汎用性と操作性が優れており、カルテと連動性がよいので選びました。当院は胸部X線しかとれないので、患者さんにほかの病院でとってきていただいたCTや超音波、MRIなどの画像データをPrimePartnerに取り込んでいます。取り込んだ画像もカルテと連動して、スムーズに確認することができますので大学病院などで画像診断をしているのと同じような環境で、患者さんに説明ができるのは便利ですし、患者さんにも分かりやすいと感じていただいています。読影は、病院の放射線科医にお願いしておりますので、精度は問題ないと考えています。
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― この製品を導入したことで良かったことはありますか?
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水野先生 当院でとった胸部X線などのデータのほか、他院の画像データも閲覧することができるので便利です。読影結果もデータでいただけるので、そちらは電子カルテに取り込んで活用しており、大変便利です。最初は予想してなかったのですが、新型コロナによる肺炎後のフォローアップの患者さんや、コロナにかかったあとダイビングを再開したいと来る方も多いです。ダイビングを再開するには、胸部のCTが必要になりますので、ほかの病院で取ってきてもらい、ここで診る事例が増えました。
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― 会計に関してはどちらの商品をお使いですか?
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水野先生 スマレジというシステムを使っています。
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― 検討しようと思われたきっかけは何ですか?
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水野先生 Smooth&Smartのコンセプトのもと、お釣りの受け渡しなどを簡略化したくて、開院当初から導入を考えていました。いろいろなシステムを検討したのですが、価格が高くて断念しました。開院して2年弱ぐらい経つと、会計システムの価格が安くなってきました。導入のきっかけになったのは、新型コロナの協力金です。その補助金で購入できる範囲だったのがスマレジでした。システムを入れる前は、金額が合わないとレジが閉められず、スタッフがなかなか帰れないこともありました。また、当院は自由診療が半分で高額な料金を払う方もいるうえに、自由診療と保険診療が混在しているので会計がかなりの手間でした。このシステムでは一括して計算できます。カウンターに置いた入金装置のおかげで患者さんとスタッフの距離が取れて、感染予防にも役立っています。
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― システム全部が連携しているわけではないのですね。
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水野先生 診療予約システム会計システムは連携していません。可能であれば全部連用させたいのですが、難しいですね。それぞれのシステムに良い点があり、その良い点が生かされているという意味では連携してなくても、手間にはなっていないです。スムーズに運用されているので、そこまでは要求しなくても充分機能しています。
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― 全体を通してクラウド型の製品が多い印象ですが、選ばれた理由はありますか?
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水野先生 情報がアップデートされることですね。一人で業務をやっていると情報についていけなくなることもあるので、自然に情報が入ってきて、アップデートされるのは非常にありがたいです。
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