2011/01/14 2011年 今さら聞けない“電カルワード”
電子カルテシステムに関心が集まる一方、意外と知られていないのが、電子カルテに関連する専門用語。
言葉はよく耳にするけど、意味はなんとなく曖昧――今回は、そんな“電カルワード”について解説。
用語を理解することで、各種電子カルテのそれぞれの“持ち味”が見えてきます。
電子カルテ・レセコン一体型
電子カルテ・レセコン別体型
システム連携
ORCA対応
iPad対応
PACS
ASP型
ASP型、SaaS型の違い
SaaS型
※各ワードについて、下記選択肢のうち1・2を選んだ先生の割合
1:「聞いたことがあり、詳しい意味までよく理解している」2:「聞いたことがあり、おおよそは理解している」
3:「聞いたことはあるが、あまり理解していない」 4:「聞いたことはあるが全く理解していない」
ASP、SaaSとは
インターネットなどのネットワークを経由して使用する。提供企業と利用契約を結び、月ごとに料金を
支払う形で利用するのが一般的。
ASP型、SaaS型の場合・・・
ネットワーク経由のため院内にサーバを設置する必要がなく導入コストを抑えられる。
システム更新など運用管理も提供側で行われるため、常に最新システムを使えるメリットも。
<ASP型>
<SaaS型>
PACS(医用画像管理システム)とは
各種画像撮影装置から得られた画像をDICOM(医用画像と通信の標準規格)
の規定によりデジタル化して保管し、ネットワークを介してリアルタイムに参照、閲覧できるシステム。
PACS連携ができると・・・
CTやMRIはもちろん超音波や内視鏡など非放射線機器の画像もデジタル化して一元管理可能。電子カルテと連携することで、必要時にすぐ画像を参照するなど診療が効率的に。
iPadとは
Appleが開発、発売したタブレット型コンピュータ。9.7インチのタッチパネル・スクリー
ンが搭載され、操作性や携帯性、画面の鮮明さなどから医療での有用性が注目され
ている。
iPad対応ができると・・・
持ち歩きがしやすいことから、特に在宅医療における有用性が高い。訪問先で電子カルテや検査画像を簡単に閲覧できるため、診療はもちろん患者への説明にも活用できる。
ORCAとは
日本医師会が推進する“医療現場IT化のための計画(ORCAプロジェクト)”において開発された、日医標準レセプトソフト。2002年からオープンソースとして公開されている。
ORCA対応ができると・・・
ORCAと電子カルテが連動していれば、ORCAのデータをそのまま電子カルテで使うことができる。無駄な入力作業などの手間が省け、医療事務の効率化が図れる。
れんけい【連携】とは
同じ目的をもった者同士が、互いに協力して物事をおこなうこと。
(解説)
地域連携の推進のため、施設間でデータ共有できるような体制づくりが求められています。そのツールとして期待されているのが電子カルテ。
単なる診療録ではなく、多彩なシステムとの連携機能により、情報共有ツールとしての役割を担えるものが主流となっています。
電子カルテと連携されているシステムは様々です
レセプトソフト/医事会計システム/薬暦・調剤システム/検査システム/画像管理・保管システム/看護師向けツール/訪問治療向けツール/手術管理システム/物流システム/リハビリ管理支援、など
一体型(別体型)とは
レセプトコンピュータと電子カルテシステムが別々に作動する(別体型)のではなく、両者に連動性があり、互いにデータを共有できるものをレセコン一体型電子カルテと呼ぶ。
一体型の場合・・・
診察時にカルテに入力した情報が、レセプトにも自動的に反映される。診察終了と同時に会計できるので待ち時間を減らせると同時に、月次のレセプト請求も効率的に実行できる。
電子カルテ購入実態調査 | <調査概要> |
対象 : | 過去3年以内に電子カルテを購入した開業医 |
調査方法 : | m3.com医師会員向けインターネット・アンケート |
調査期間 : | 2010年10月 サンプル数 : 500件 |
電子カルテ導入にあたり、やはり気になるのはコスト。経営上、導入×運営コストを抑えられるのに越したことはありません。
そこで次回は、「価格交渉術」をご紹介します。実際に導入した先輩方の工夫や、ちょっと生々しい経験談を大公開!