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開業資金

2010/09/24   2010年 電子カルテ購入医師はここを見た!

不況時代の医院開業・経営術 第2回 融資が受けにくい?資金調達と収支バランスを考える

長引く景気低迷をどのように乗り越えていけばいいか――
不況時代の医院経営を考えるこのシリーズ、第2回のテーマは融資です。
医院開業を検討する医師にとって、最大の心配事の一つが「資金調達」。
開業にあたって用意すべき設備機器は高額なものが多く、特に特に土地・建物の購入から自前で購入しなければならない場合には、より多額の資金が必要となります。
しかし長引く不況の中で、十分な融資は本当に受けられるのか。医院開業を成功に導く資金計画とは?
今回は、開業時の借入先の選択、および資金調達のポイントについて、考えていきます。(取材協力:日医リース)

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1 医院開業における資金調達の現状

医療機関に対する貸し渋りは起きている?

医療機関に対する融資の総額は、全体として減少傾向にあるようです。それは、金融機関が「貸さない」からなのでしょうか?
開業医への資金調達に関するアンケート調査では、2年以内に医院を開業した医師に「融資を受ける際“貸し渋り”を感じたか」と質問したところ、「強く感じた」との回答は18.1%、「まあまあ感じた」が36.7%、残りの45.2%は「全く感じなかった」との回答でした。貸し渋りを感じた人が実際にいる一方で、全く感じることのなかった医師も半数近くを占めています。
では、開業時の資金調達のハードルは、本当に高くなっているのか。金融情勢が非常に厳しいことは周知の通りで、銀行も新規の融資に対しては慎重な姿勢をとっています。とはいえ、消極的な対応ばかりでは、金融機関としても仕事になりません。優良な客にはできるだけ融資をしたいと、当然ながら考えている。そのための有力なターゲットの一つが、実は他ならぬ、医療機関なのです。
2年以内に開業した先生、借入れの際、貸し渋りを感じましたか?

医療は「健全なマーケット」であり、融資はむしろ受けやすい

融資をする金融機関サイドにとって、時代に関係なく一定の需要が見込める医療は、ほかの業界と比べて明らかに「健全なマーケット」と考えられています。ほかへ貸すよりは、市場が安定している医療分野の方が安心、というわけです。その意味で、医療機関への貸し渋りが現実に起きているとは考えにくく、融資のハードルが高いと感じるのは、その際の「審査」に変化が起きているためだと考えられます。
昨今は業界を問わず、融資を受ける際の審査は厳しくなっています。医療機関においても例外ではなく、審査にあたって厳しい質問を受けたり、たくさんの資料の提出を求められたりと、以前よりも多くの労力を要するようになりました。しかし結果的に融資を断られるケースというのは、こと医療機関に限ってはほとんどないといえます。よほど無理のある資金計画の場合などを除き、適切な事業計画、経営計画、理念をもって開業を志す医師に対しては、金融機関はむしろ融資に積極的だと考えられます。

「開業はひとまず様子見」で、医療機関の新規開業件数は減少

ではなぜ、医療機関への融資は減少傾向にあるのでしょうか。その理由の一つに、最近になって、医療機関の新規開業件数(保険医療機関の新規指定件数)が減少していることが挙げられます。すでに開業している病院においても、新たな設備機器の導入を控えている状況があります。すなわち、医療機関からの資金ニーズそのものが、減少しているのです。
なお、新規開業件数が減っているのは、その背景に開業を検討しつつも様子を見ている医師が多いことが考えられます。リーマンショック以降、先の見えない不況に陥り、国も医療費抑制の方向へと動いています。先行きがあまりにも不透明なことから、開業のタイミングを見ている。その分、自己資金については減るどころか、徐々に膨らんでいる状況も推測されます。
コラム
医院経営への不況の影響――患者の「受診抑制」
医療機関への不況の影響として、患者さんの受診の抑制が起きていることが指摘されています。あくまで経済的な理由から、受診の回数を減らすなどのケースが出てきているのです。その傾向が特に顕著なのは歯科領域で、「患者の経済的理由から治療を中断したことがある」という歯科医師が半数近くに及んだという実態調査もあるほどです。
歯科領域に留まらず、最近では妊産婦が定期的な検査を受診しないことや、生活保護を受給する患者の増加、未収金の問題なども、新聞などで報道されるようになりました。一方では、ある内科クリニックの患者アンケートでは、「疾病が最終的に治癒するまでに、どのくらいの負担になるのか不安に感じる」「医療費の明細書をもらっても見方がわからず、納得考えられない」という意見が全体の7割を越えたそうです。負担そのものが困難な場合も少なくありませんが、医療費に対する理解が得られないために負担を重く感じてしまっているケースもあるようです。
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2 医院経営を成功させる、資金調達のポイント

借入先として最も理想的なのが、長期で低利な「公的融資」

自己資金は多いに越したことはありませんが、だからといって不況で資金調達が難しいから自己資金が多くなければ開業できない、ということではありません。しっかりとした見通し、事業計画があれば、資金調達は可能です。新規開業が減っている今こそ開業のタイミング、という見方もあるでしょう。
そこで、資金調達を行うための借入先について、見ていきます。
土地建物を新規で購入する場合と、テナントの場合とでは必要な額も大きく変わりますが、いずれにせよ後の医院経営を成功させるには、無理のない資金計画が求められます。高額な融資を必要とするなら、15020年という長期の返済が可能で、しかも低利なものが理想的。その条件を備えた借入先として、第一に考えたいのが公的融資です。
代表的なのは、独立行政法人福祉医療機構、日本政策金融公庫といった政府系金融機関による制度融資。ほかにも、地方公共団体が独自で行っている制度融資もあります。これらの融資は、融資金額が高額であり、返済期間が長く、金利が低いなど、総合的にみて有利な融資条件となっていますので、開業時の資金調達には最初に検討したいところです。ただし、公的融資を受けるには、あらかじめ設定された条件をクリアしなければなりません。また、地域によっては融資対象とならない場合もあるので、注意が必要です。

独立行政法人福祉医療機構 福祉医療の基盤整備を進めるため、社会福祉施設及び医療施設の整備のための貸付事業などを実施。開業資金の返済期間は最長で20年(ただし、融資対象とならない地域もあるので注意が必要)。
日本政策金融公庫 新たに事業を始めるために必要な開業資金、および事業開始後に必要な運転資金などを融資。中小企業向け制度ではあるが、開業医も利用可能。

その次に検討したいのが、銀行の融資。後々の医院経営を考えても、開業時から銀行とのつながりを作っておくことは有益です。しかし、医院開業は融資金額が高額になることから、銀行からの融資は不動産などの物件担保を要求されることが一般的です。それが難しい場合、次の選択肢として考えられるのが、ノンバンク系の金融機関。リース会社などが開業ローンを行っており、運転資金などを無担保で借りられるところもあります。

要なのは「開業当初の事業計画」

このように、融資の借入先は条件の有利な順に、公的融資、次に銀行の融資、続いてノンバンク系の融資という三段階で検討していくといいでしょう。これらの借入先から十分な資金を調達するために重要なのが、医院の事業計画です。
特にしっかりと考えておきたいのが、「開業当初」の計画。どのような業種でも、経営が軌道に乗るまでに収支の厳しい時期があるものですが、医院経営においては、患者への認知度が定着し、経営が安定するまでにかかる期間はおよそ3年と言われています。この不安定な3年間を乗り越えられるだけの体力が、医院経営の成功には不可欠。開業当初から多額の返済が発生するような資金計画では、開業早々いきなり収支バランスが乱れ、不安を抱えることになってしまうのです。
そのような事態を避けるための、資金計画のポイントは次の2点です。
2年以内に開業した先生、借入れの際、貸し渋りを感じましたか?
1.使用使途により、借入先・調達法を柔軟に使い分ける

土地や建物といった箱物については、長期で安定して調達できる公的融資を利用。設備機器や什器、備品などについては短期間の融資で償却期間や耐用年数に合わせた返済をする、というように、資金の使途に応じて借入先を使い分けることで、より収支バランスの安定した返済計画が可能となります。
また、高額な医療機器を全て融資で調達するのは大変ですので、リースをうまく組み合わせることも有効と言えるでしょう。

2.最初から重装備にせず、設備投資は少しずつ!

志をもって開業するのはいいことですが、理想を追求するあまり最初から重装備にしてしまうと、開業当初の厳しい時期に過大な返済の負担を抱えてしまうことになります。機器によっては、すぐに導入しなくても、様子を見ながら必要に応じて後から追加していっても遅くはありません。最初からリスクを抱えすぎないという意識を強く持ち、特に設備機器については段階的に揃えていくような工夫も必要と言えるでしょう。その意味でも、リースは活用の余地がありそうです。

リース活用のメリット

リースとは、リース会社が医師の選択する医療機器などを購入し、その使用権を医師に提供するという、賃貸借契約のシステムです。リースには下記のような特徴があります。

1.月々の負担(リース料)が少ない

一時に多額の購入資金が必要なく、月々の少ないリース料で、高価な設備機器を無理なく導入することができます。

2.最新鋭の機種を活用できる

技術革新が目覚ましく、設備機器の陳腐化も早い今の時代。耐用年数に見合ったリース期間を設定することで、最新鋭の設備を導入することができます。

3.事務手続きの煩わしさがなく、使用コストも明確

一時に多額の購入資金が必要なく、月々の少ないリース料で、高価な設備機器を無理なく導入することができます。

(取材協力:株式会社日医リース 営業推進部兼企画部 副部長 西川和比古さん)
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日医リースは、医療分野と福祉分野の専門リース会社として昭和45年の創立以来、毎年約500件の病・医院開業のお手伝いをし、今までに16,000件を超えるお取引をいただいております。 各拠点に医業経営コンサルタントを配置し、先生の夢の実現に向けお手伝いをさせていただきます。医療機器のファイナンス・リース以外にも、メンテナンス付リースや割賦販売、無担保ローンなど幅広くサービスをラインアップし、先生のご要望にお応えしていています。東京・大阪・福岡などの各地で、日本政策金融公庫と協力した実践的な開業セミナーも開催しています。
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