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開業資金

2008/07/16   金融機関への有利な融資交渉とは?

Q:開業に必要な資金を金融機関から借りたいと思っていますが、融資してくれるか不安です。どう交渉したらいいでしょう?また、開業時に金融機関と融資の交渉をするに当たり、金利や借入期間など有利な条件で借入をするために注意すべきポイントを教えて下さい。
ポイント

1. 金融機関の選択

2. 開業計画書の作成

3. 融資交渉の方法

4. 必要資金不足時の対応

5. 借入期間

6. 返済方法

7. 金利

解説

   開業にあたっては、開業スタイルによって異なるものの、設備資金、運転資金等相当の資金が必要となり、
   自己資金だけでは不十分で金融機関からの融資に頼らざるを得ません。ただ以前とは違い金融機関の
   新規開業に対する融資姿勢にも厳しいものがあり、有利に交渉を進めるためには事前の準備が大切です。



  (1)現在又は過去において取引のある金融機関を訪問し、
     開業地から遠ければ近くの支店を紹介してもらう。
  (2)知人、税理士、建築業者、医薬品卸業者等に紹介を依頼する。
  (3)公的機関の制度融資の活用を検討する。(福祉医療機構、国民生活金融公庫)

  

   融資を受ける際には以下の内容を記載した説得力のある事業計画書の作成が必要となる。
   作成には税理士等の専門家の協力も必要と思われるが、任せっきりにするのではなく、
   その内容をしっかり理解しポイントを自分で説明できることが求められる。

  
(1)開業の概要…名称、所在地、診療科目、診療日数、土地、建物、人員構成等
  (2)開業の理念…先生のビジョン、目標、主要施策等(自分の言葉できちんと書く)
  (3)診療圏の状況…開業予定地での診療圏の人口や特徴、診療圏調査による予測
  (4)投資計画…土地、建物、医療機器、備品等(過剰投資になっていないかチェック)
  (5)資金計画…借入金、自己資金
  (6)医業収益計画…患者数見込み×平均診療単価
  (7)回収計画…保険診療等の回収計画
  (8)人件費計画…院長、専従者、職員の給与及び福利費
  (9)諸経費計画・支払計画…医業経費、一般管理費及び薬品・委託費の支払計画



   (1)金融機関の担当者へ連絡をして、訪問の約束を取る。
   (2)初回訪問時には、開業計画書の概況程度を説明し、融資の感触をつかむ。
   (3)2回目から、融資可能金額、担保、保証人等具体的な条件交渉に入る。
   (4)開業計画書について詳細な説明が必要と思われる場合は、税理士など専門家に
     同行してもらい、補足説明をしてもらうとよい。
   (5)次回までにすべきことを確認する。この際、必ず「いつまでに」「だれが」「何を」
     するのかを明確にしておく。
   (6)書類の作成や審査に予想以上の時間や手間がかかる場合もあり、余裕を持った
     スケジュールを設定する。(融資決定前に見込みで設備投資の契約をしない)


   (1)別な担保(自己所有、親所有の土地、建物)を提供できないか検討する。
   (2)親や親戚等から借入ができないか検討する。
   (3)公的な機関である「信用保証協会」の行う連帯保証制度の活用をする。
   (4)投資計画を見直し、投資金額を引き下げる。
   (5)医療機器や備品等を購入するのではなく、リースにし借入金総額を抑える。
   (6)金利は高くなるが、担保不足部分を補うノンバンクの無担保事業ローンを
     事業収支計画に負担にならない範囲で検討してみる。


   (1)「長期借入」…借入から返済完了までの期間が長期のものをいう。医院開業に
     おいて初期投資のほとんどが建物や医療機器などの設備投資であり長期借入で
     対応する。金融機関としては、貸している期間が長い程リスクが高まるので融資
     条件としては厳しくなる傾向がある。又、土地や建物の物的担保や保証人を立てる
     人的担保が必要となる。
     返済期間は長くすれば月々の返済金額は減り資金繰りは楽になるが、支払利息の
     総額は増えるので事業収支をきちんとたて、生活費や個人の住宅ローン等も考慮に
     入れて妥当な期間を設定し交渉に臨むようにする。

   (2)「短期借入」…借入から返済完了までの期間が一年以内のものをいう。
     診療報酬の入金が2ヵ月後のため開業当初の運転資金として借り入れる場合があるが、
     できれば当初の運転資金は自己資金で賄いたい。


   (1)元金均等返済方式…借入元金返済金額を、毎月同じ金額とする方法である。
     これは、借入残高が直線的に減少していき、利息は、借入残高により増減するため
     、支払い利息の金額は次第に減少していく。

   (2)元利均等返済方式…支払合計額(元金の返済+支払利息の合計額)が毎月同じ
     金額になるようにする方法である。
毎月の返済総額が同じなので月々の負担を把握できるメリットがある。

   (3)据え置き期間・・・開業当初は患者数も少なく資金繰りも厳しい状況が予想されるため
     開業直後の一定期間、元金の返済を据え置いて利息の支払だけをすることが可能である。


   (1)変動金利(借入期間の間に金利が変動するもの)と固定金利(借入期間を通じて金利が
     固定されているもの)があるが、開業資金は長期で借入れる場合が多く将来の金利の変動が
     借入利息の負担に大きく影響するので将来の動向を見据え慎重に判断する必要がある。

   (2)保証料や手数料、担保設定費用などの借入れコストが必要になる場合があるので金利負担と
     トータルで考える必要がある。

   (3)事前に基礎知識として現状の金利状況を金融機関のホームページを見たり専門家に確認しておく。



中原 章博 株式会社 古川経営
(三重県四日市)

古川 典明




昭和43年8月 創業者古川寛税理士事務所開業

昭和61年10月 株式会社古川経営総合研究所設立

平成11年5月 株式会社古川経営に社名変更

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