1. m3.comトップ
  2. 開業・経営
医療DX令和ビジョン2030

2030年、すべてのカルテが電子化へ。
先生が今、知っておくべきこと。

ただいまの電子カルテ普及率

76.9%
※m3.com調べ(2025年10月更新)

厚労省が進める医療DX令和ビジョン2030に関して

政府が打ち出している「医療DX令和ビジョン2030」をご存じでしょうか?
医療DX令和ビジョン2030は、日本の医療分野のデジタル化を推進する国家戦略です。
いくつか戦略の柱があるのですが、その中でも特に注目されているのが、2030年までに電子カルテ普及率100%を目指す取り組みです。

電子カルテの利用状況 普及率は上昇中

電子カルテの導入率は、年々着実に伸びています。
10年前は40%にも満たない水準でしたが、現在は約75%の医師が電子カルテを導入しています。 ※2014-2023年は医療施設調査 令和5年医療施設(静態・動態)調査 全国編 一般診療所数、診療録電子化(電子カルテ)の状況・病床の有無・開設者別、2025年はm3.com会員へのアンケート調査。重複回答を除いた開業医n=446件。

このペースだと、5年後の電子カルテ普及率100%も射程圏内に入ってくるかもしれません。

電子カルテ普及率
電子カルテ普及率の遷移

電子カルテの種類と費用相場 クラウド型とオンプレ型

電子カルテは「クラウド型」と「オンプレ型」に分かれます 。
インターネットの普及により現在では低コストなクラウド型が主流となっております。
政府の“医療DX令和ビジョン2030”でもクラウド型が推奨されています。

種類 クラウド クラウド型 サーバーラック オンプレ型
方式 インターネット上に用意されたソフトウェアを使う 自分のPCにソフトウェアを入れて使う
データの保管場所 大手企業が運営するデータセンター
(オンライン銀行等と同等水準のセキュリティ)
クリニック内に用意したサーバー内に保管
コスト
比較的安価
比較的高価
データ消失リスク
基本的には無し
災害などで消失する可能性あり
アップデートの手間
メーカー側が自動で更新
自分で対応が必要
※場合によっては有償
カスタマイズ性
事前に定められた範囲でカスタマイズ可能
比較的自由にカスタマイズできることが多い
人差し指で右を指すアイコン こんな人におすすめ
  • とにかく気軽に電子カルテを使いたい
  • PCの管理に手間をかけたくない
  • オペレーションやカルテの使い方にこだわりがあり、カスタマイズして使いたい
  • 自分でPCの設定や管理ができる

導入費用 クラウド型なら低コストに導入可能

診療所の電子カルテの導入費用は一括購入の場合、平均して381万円となりました。
また、4施設に1施設が500万円以上の費用をかけているという結果になりました。

電子カルテ導入費用 一括購入、リース(年間)
電子カルテの導入費用比較グラフ(一括購入と年間リース) 引用:公益社団法人 日本医師会 診療所における医療DXに係る 緊急調査 結果_令和6年12月25日  (2025/5/9時点での参照)

補助金の利用などで費用負担を下げられる場合もございます。

月額費用 クラウド型なら2万円以下から導入可能な場合も

平均値で9万3005円、中央値で3万円台となりました。
クラウド電子カルテを利用する医師が増えたことも伴い、月額費用を抑えている医師の割合が大きくなっています。

カルテの月額費用の価格帯と回答者数
電子カルテの月額費用の価格帯と回答者数 m3.comの登録医師を対象に、アンケートを実施調査(2025年4月)

補助金の利用などで費用負担を下げられる場合もございます。

電子カルテを導入した方の実際の声

新規開業の先生はもちろん、最近は紙カルテから電子カルテに置き替えるケースも増えています。
実際に置き換えた先生に、その理由をお伺いしました。

電子カルテを導入した理由についてのアンケート
アンケートの回答割合のグラフ
時代の流れだと感じたから(36%)
  • 近隣の医院は電子カルテを導入しており、国も推進していたから
  • 時代の趨勢だと感じたため
業務の効率化のため(23%)
  • スタッフが処方内容をレセコンに入力していたが、間違いも多かったため
  • 人手不足対策のため
  • レセコンの経費削減のため
紙カルテの保存問題のため(17%)
  • 保存スペースがなくなったため
  • 保存状況を改善したかったから
その他(23%)
  • 息子に継承するタイミングで、息子に勧められたため
  • レセコンの更新が高額だったため
  • 建物の建て替えのタイミングだったので一緒に導入した
対象・方法:電子カルテ導入済の開業医の方を対象に、アンケートを実施
n=31 調査時期:2025年9月 回答方法:自由記述
意外にも、最も多いご意見が「時代の流れ」という回答でした。
また、電子カルテを導入された方からは、意外と何とかなった、業務が効率化された、という声も多く聞かれました。
一方で、失敗したと感じている先生もおられます。

導入してよかったと感じている医師の声

  • いままでよりもカルテ記入の時間が短縮でき、診察できる人数が増えた
  • iPadでの手書きが思ったより便利で、毎日楽しく使えている
  • これまで患部の写真を手作業で印刷・貼付していた作業が圧倒的に楽になった

導入して失敗したと感じている医師の声

  • 過去の紙カルテが見つからなくなってしまった
  • 最初はなれるまで、受付スタッフの負担が増えてしまった
  • 選択した電子カルテでやりたいことが出来ず、ほかのものもじっくり見ればよかった

実際に電子カルテを導入した方の生の声やインタビューを、こちらにて掲載しています
ご興味のある方はぜひご覧ください!

電子カルテの最新シェアランキング

毎年恒例の「クリニック向け電子カルテ実態調査」。
今年も、過去4年間で電子カルテを導入した開業医の回答を中心に購入シェア数ランキングと2025年現在の市場トレンドを解説します。
電子カルテ購入シェアランキング
必要な機能、連携したい機器、重視する操作性などは、科ごとに特有のニーズがあるため最適な製品は診療科によって異なる場合があります。
本記事では、2025年の最新調査データに基づき、主要な診療科目ごとにどの電子カルテが多く導入されているのか、背景にある選定ポイント、診療科特有の事情について考察します。
診療科別購入シェアランキング

オンライン相談会のご案内